【午後第2部】教育現場とセキュリティ事例 15:40〜17:25
●三鷹市教育委員会 指導主事 大島克己氏
   三鷹市の小・中学校とインターネットの事例
T はじめに

 平成11年度から3年間、文部省、郵政省の共同プロジェクトとして先進的教育用ネットワークモデル地域事業がスタートした。この事業の特徴としては、全国の小・中・高等学校間(1075校)を高速のネットワークで結ぶとともに、複合アクセス網(DSL、WLL、衛星など)のネットワーク接続の研究でもある。
 この事業の大きな特徴としては、全国北海道から沖縄までの1075校を一つのネットワークで結ぶ世界でも類をみないWANなネットワークであること、1.5Mのネットワーク速度を標準した高速ネットワークであることなどがあげられる。
 以上のような特徴を生かしたネットワークの教育活用のあり方の研究こそが先進的教育用ネットワークモデル地域事業の大きな役割であり、これまで一部の学校のみで研究が推進されてきたインターネット活用も含めたネットワーク活用の授業の全国的な普及と一般化を目指すものである。
 三鷹市は、この事業の指定を受けるともに全国の中心となる中央ネットワークセンターが開設され、情報教育の中心としての役割を担うことになった。


U いまなぜ学校教育の世界でインターネット活用も含めたネットワーク活用が必要なのか

 平成11年7月26日(月)に総理に報告されたバーチャル・エージェンシーの報告書をみると.「教育の情報化プロジェクト」について次のような趣旨が述べられている。「高度情報化社会に対応した人材を若いうちから育成するため,学校を中心とした教育の情報化を推進する必要がある。そのため,全国の小中学校等におけるコンピュータの整備充実,インターネットの活用,情報化に精通した人材の活用等を推進する。」
 このは背景には、この年の6月に開催されたケルンサミットで小渕総理から「グローバル化時代に求められる『読み書きそろばん』として、コンピュータ教育が必要である。」旨の発言があり、「ケルン憲章」においても、すべての子供にとって「情報通信技術(ICT)の能力が不可欠である旨が合意された。こうした世界の趨勢を見ても、教育の情報化は、日本の教育の最重要課題と位置づけることができる。ということがある。

1 目指す方向
  教育の中でインターネット活用も含めたネットワーク活用により、子供の学び方を変え、 授業を変え、学校を変えることがねらいであることはいうまでもない。
  各校種別の目指す方向として次のようなことがあげられる。
@ 小学校
すべての子供たちがコンピュータ・インターネット等を身近な道具として慣れ親しみ、何の抵抗もなく自由に使いこなせるようにする。
A 中学校
すべての子供たちがコンピュータ等を主体的に学び他者とコミュニケーションを行う道具として積極的に活用できるようにする。




V 三鷹市の事例

1 きっかけ
 三鷹市は平成8年にインターネットを市内の全小中学校に導入した。導入するきっかけは、(1)阪神淡路大震災で学校が避難所となったこと、(2)情報通信ネットワーク、特にパソコン通信が壊滅的な打撃を受けた電話やテレビ等に代わり情報ソースとして活躍したこと、(3)市内にCATV会社が開局したことなどが上げられる。その中でも特に、放送と通信の両方の免許を取得した日本でも有数の高速のインターネット回線を有したCATV会社の開局は大きなきっかけとなった。

2 導入上の課題
 三鷹市のインターネットの導入は、スムーズのいった訳ではない。次のようないくつかの課題があった。
@ 教育の場でインターネットがどのように活用できるのか。
A 電子計算機条例や個人情報保護条例等の各種条例とインターネットの教育利用の関係をどのように整理するのか。
B インターネットの教育利用のために、教員研修をどのように行うのか。
C インターネットの陰の部分をどのように解決するのか。
 などである。

3 現在の先進的教育用ネットワークのネットワーク構成例

4 ネットワークポリシー
@ 三鷹市の各学校のネットワーク管理及びwww・FTPサーバーやメールサーバの管理運営は民間会社に委託している。
A 個人情報の保護については、インターネット取り扱い基準を教育委員会が策定しこの基準に従って運営している。
B フィルタリングはブラックリスト方式を採用し、公共施設ということもありかなり厳しい基準を採用している。

・ フィルタリングのシステムとしては、FireWall-1とWebSENSEを採用している。この二つを併用することで多様な設定が可能になります。
・ WebSENSEデータベースは30のカテゴリーから成り立っています。また、インターネットの環境は常に変化しているためWebSENSEも変動し続けるデータベースを参照しながら稼働しています。
・ WebSENSEデータベースには毎日設定した時間にhttpプロトコルを介して自動接続し最新バージョンをダウンロードします。
・ カテゴリーリスト 人工中絶、アクティビストグループ、成人娯楽、アルコール/タバコ、娯楽雑誌、カルト・ニューエイジ、違法薬物、エンターテイメント、ギャンブル、ゲーム、同性愛・ライフスタイル、ハッカー関連、暴力を伴わない違法行為、職探し・求人、軍事、個人広告/デートサービス、政治、人種差別、宗教、性行為、非一般的な性行為、ショッピング、スポーツ、悪趣味、旅行、ユーザー定義、乗り物、暴力を伴った犯罪行為、兵器、ウェブチャット。

5 インターネットの教育利用の実際
@ 各学校のホームページの作成
A 遠隔授業の実施
B 教育データベースの作成
C 不登校への援助システム
D 学校図書館の情報化

6 今後の方向性
@ コミュニティー(地域)の情報化への学校の積極的情報発信と役割の強化
A VODによる情報配信
B モバイルの教育利用

昭和49年都内で中学校の教諭に採用平成4年4月都立教育研究所教育方法研究室指導主事平成5年4月東京都教育庁指導部中学校教育指導課指導主事(情報教育担当)平成8年4月三鷹市教育委員会指導主事平成12年4月通信放送機構へ出向
※今大会における参加者に配布したパンフレットです。↑

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