【午後第1部】具体的な対応策とその現状 13:00〜15:30
●ニューメデイア開発協会 開発本部 部長 清水昇氏
   W3C PICSとフィルタリングシステム
[1] コンテンツ問題に関する動向

○インターネットの爆発的普及
○インターネットの社会インフラ化
○インターネットが普及するに伴い、アダルト情報等のコンテンツが社会問題化
○ネット上の猥褻情報に関する規制が、米国議会で審議され、通信改革法、96年2月に成立
○フィラデルフィア連邦地裁で96年6月に違憲判決。最高裁で97年6月に違憲が確定
○96年4月にEUにおいて、仏からインターネット上の倫理問題についての国際協定が提案された。仏は既に法制化、独は法制化予定、英は自主規制
○96年9月、英国でIWF(The Internet Watch Foundation)が発足
○98年5月、日本で改正風俗営業適正化法が公布
○98年10月、米国でチャイルドオンライン保護法が成立
○98年10月、日本の警察庁の専門家委員会がフィルタリングソフトの普及を提言
○99年4月、日本で改正風営適正化法が全面的に施行
○99年4月、日本で不正アクセス行為の禁止等に関する法律案が国会に提出された
○99年5月、日本で児童買春・児童ポルノ処罰法が成立

[2] 学校における、インターネット利用時の問題

○アダルト情報
○暴力、残虐情報
○ショッピング
○ゲーム
○タレント
○チャット

[3] インターネットにおけるフィルタリングとは

○インターネット上の情報を取捨選択すること
○ネガディブフィルタリング(指定した情報を捨てる)
○ボジティブフィルタリング(指定した情報を取る)
○一般的には、有害情報を排除するシステムを言う

レイティングシステム
ペアレンタルコントロールシステム
モニタリングシステム
……とも呼ばれる。

[4] レイティングとは

○物事を知識、興味、意見などによって評価すること
○実社会には、色々なレイティングが存在する

・映画、ビデオの格付け・ホテル、レストランの格付け・企業の意志決定 ・英会話能力のグレード・予算の割り振り・企業の格付け ・選挙・入試・裁判

それぞれは、評価の仕方が異なるのみ。

[5] インターネットにおけるレイティングとは

○W3C(The World Wide Web Consortium)がPICSという名称で標準化
○レイティング基準を作り
○インターネット上の情報をレイティング基準に従って評価する
○評価結果をラベルとして附加する
○レイティング方法に次の2っがある
・サードパーティレイティング(第三者レイティング)
・セルフレイティング(自主レイティング)
○有害情報の排除以外にも応用可能

[6] フィルタリングソフトの種類

(1) フィルタリングソフトの種類

○ブラウザ組み込み型(Internet Explorer)
○PCインストール型
○PROXYサーバ型

(2) フィルタリング方式の種類

○有害情報データベースに基づくフィルタリング
○レイティング情報(ラベル情報)に基づくフィルタリング
○キーワードチェックに基づくフィルタリング
[7]商用フィルタリングソフト
(URL=http://www.acs.ucalgary.ca/~mueller/block.html)
○Bess:The Internet Retriever ○Internet In A Box ○SmartFilter
○CyberPatrol ○KinderGuard ○SurfWatch
○CYBERsitter ○Net Nanny ○WinWatchHome
○Cyber-Snoop ○Net Shepherd ○X-Stop
○EdView ○Netscape Proxy Server  
○InternetFilter ○PlanetView  



[8]W3Cとは(URL=http://www.w3.org/)

○1997年10月CERNで設立
○現在は、米国のMITに移管されている
○国際的な企業連合
○MIT(米)、INRIA(仏)、慶応大(日)がホスト
○中立的な機関である
○Webの発明者であるTim Berners-Lee(ディレクタ)が指揮している
○Webに関する共通的なプロトコルの開発とそのインタオペラビリティの推進
○技術仕様と標準ソフトウェアを開発し、公開する

[9]W3Cの活動
○ユーザインターフェース ○技術と社会
・HTML ・XM○Signature
・Style Sheets:CSS,XSL ・Metadata:RDF,PICS
・Document Object Model:DOM ・Privacy:P3P
・Synchronized Multimedia:SMIL ・Electronic Commerce
・Math:MathML  
・Graphics:SVG,WebCGM  
・Voice Browser  
・Internationalization  
・Mobile Access  
・Amaya browser/editor  
○アーキテクチャ ○ウェブアクセスイニシアティブ(WAI)
・HTTP ・Accessibility Guidelines
・HTTP-NG ・Technica○Activity
・Web Characterization ・Internationa○Program Office
・Extensible Markup Language: XML
・Television and the Web
・Jigsaw Web server
・Libwww protocol library



[10]PICS(Platform for Internet Content Selection)

○現在、PICS-1.1が公開されている
・サービス記述に関する仕様書
・Rating Services and Rating Systems (and Their Machine Readable Descriptions)
・ラベル記述と配布に関する仕様書
・PICS Labe○Distribution Labe○Syntax and Communication Protocols
・フィルタリング規則に関する仕様書
・PICSRules 1.1

○PICS-NG(=PICS-2.0)を検討中
・RDF(Resource Description Framework)を用いた新方式

[11]PICS:問題解決への技術的努力

○W3Cは95年の夏から、インターネットアクセスをコントロールするPICS(Platform for Internet Content Selection)の開発を進めている。
○コンテンツプロバイダ自身が、自発的にラベル付けできる。複数の第三者によって付加的なラベル付けが行われ、レイティングサービスすることもできる。
○サーバソフトとしてはJigsaw、クライアントソフトとしてはInernetExplorer3.0、レイティングサービスとしては、RSACiやSafeSurfがある。
○W3Cとしては、問題情報のフィルタリングだけでなく、DBや検索サービスと組み合わせた情報サービスへの応用を期待している。

[12]既存のフィルタリングソフトの方式によるコンテンツ選択

○独自データ形式
○独自プロトコル方式

[13]PICS方式によるコンテンツ選択

○標準データ=ラベル形式
○標準プロトコル方式

利用者は、色々なフィルタリングサービスの中から自分に合ったものを選択できる。

[14]レイティング基準例 RSACi > ICRA
○暴力 ○ヌード
0 下記以外 0 下記以外
1 闘争 1 露出的な服装
2 殺害 2 部分的なヌード
3 流血を伴う殺人 3 全裸
4 残忍で過激な暴力 4 刺激的な全裸
○セックス ○言葉
0 下記以外 0 下記以外
1 情熱的キス 1 穏やかな悪口
2 着衣のままの性的接触 2 悪口
3 性的接触の不鮮明な描写 3 性的なジェスチャ
4 性行為の鮮明な描写 4 不快感を与える露骨表現

RSACiはセルフレイティング向き、SafeSurfは両親向き、NetShepherdは汎用レイティングビューロと捉えられる。

[15]フィルタリングシステムの開発

○開発の位置付け
・情報処理振興事業協会(IPA)の先進的情報システム開発実証事業の一つ
○開発の狙い
・フィルタリングシステムに関する共通プロトコルの開発
・フィルタリングシステムに関するインタオペラビリティの実現
・ネット上の倫理問題の解決手段の提供
・内容選択技術を新検索サービスや電子商取引などの土台作り
○開発のベースとなった技術仕様
・W3CのPICS Version 1.1

[16]フィルタリングシステムの主な機能

○インターネット上の情報を効率よくレイティングする為の補助機能
○レイティング結果であるラベル情報をデータベース化して管理する機能
○クライアントからのラベル問い合わせに対し応答を返す機能
○ブラウザと連携しフィルタリングする機能
○ラベル情報、ブラックリスト、ホワイトリストの組み合わせによりフィルタリングする機能
○ホームページにラベル情報を付加する機能
○ラベルビューロ管理者に対し、指定したホームページのレイティングを依頼する機能

[17]全体システム機能関連図

[18]フィルタリング機能の制御関連図



[19]セルフレイティングの方法

○オーサリングツールを使ってセルフレイティングを行う
○ホームページにMETAタグを追加してセルフレイティングを行う
○セルフレイティングを行っていることを次のようなアイコンで示す

○セルフレイティングしたホームページのHTMLデータ(例)

[20]開発の経緯と現在のフィルタリングシステム

○教育向け、企業向けレイティング基準作成
・教育向けレイティング基準……SaftyOnline
・企業向けレイティング基準……SaftyOnline-B
○UNIX版ラベルビューロソフトを開発
・97年9月16日に運用開始
○Windows及びMacintosh版フィルタリングソフトを開発
・Windows95版は97年9月16日に無償で公開開始
・Macintosh版は97年10月中旬に無償で公開開始
○Windows及びMacintosh用オーサリングソフトを開発
・Windows95版は97年10月中旬から無償で公開中
・Macintosh版は97年11月初旬から無償で公開中
○開発したソフトを用いて、平成10年2月まで教育現場と企業現場とで実験を実施
○自動レイティング機能を有する新UNIX版ラベルビューロソフトを開発
・99年3月末から運用中
○PROXYサーバ機能を有する新フィルタリングソフト(SFS)を開発
・Linux版及びSun Solaris版を99年4月30日に無償で提供開始
・99年9月より、Windows95,WindowsNT,及びFree BSD版を無償で提供開始
・SFSの提供開始に伴い、IFSのサポートを中止
○(参考)ダウンロードページ
・http://www.nmda.or.jp/enc/rating/index.html

[21]SafetyOnlineのレイティング基準
○ヌード ○セックス
0 なし 0 なし
1 露出的な服装 1 セクシャルなキス
2 部分的なヌード 2 着衣のままの性的接触
3 全裸 3 性行為らしき描写
4 性器の強調 4 性行為
○暴力 ○言葉
0 下記以外 0 不快感を与えない言葉
1 闘争 1 穏やかな悪口
2 殺害 2 悪口
3 流血を伴う殺人 3 わいせつ表現
4 誹謗中傷
○その他  
0 なし  
1 要注意  
2 公序良俗に反する  
3 違法  
4 反社会的  

[22]新フィルタリングシステム

○自動レイティング機能
○画像レイティング機能
○自動更新機能
○他ラベルビューロとの連携機能
○プロファイルビューロ機能(PICSRules 1.1)
○分散処理機能
○管理機能の強化
○運用補助機能
○サーバ型フィルタリング機能(SFS)

[23]現在のフィルタリングシステムの課題

○有害電子メール等のフィルタリング技術
○適正なレイティング値の決定技術
・ハーモナイズドフィルタリング
○レイティング件数の増大
○ラベルビューロの国際連携
○分散型ラベルビューロシステム
○セルフレイティングの普及
○W3Cの新しい技術仕様のフォロー
・RDF(Resource Description Framework)
○内容選択技術の新検索サービス、電子商取引等への応用


清水 昇 (しみず のぼる)財団法人ニューメディア開発協会・開発本部、電子ネットワーク部にて担当部長を勤める。
※今大会における参加者に配布したパンフレットです。↑

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