【午後第1部】具体的な対応策とその現状 13:00〜15:30
●アルプスシステムインテグレーション システム商品部 
  セキュリティサービスグループ 杉本浩信氏
   教育委員会やプロバイダーを中心とした実例およびフィルタリングの現状
1. はじめに

 インターネット利用時にポルノなどの有害情報にアクセスした経験者は、40%以上いるというショッキングな統計データが1998年の郵政省の調査で発表されたように、ますます拡大するインターネットの上の有害情報対策は重要な課題になっています。
 特にこれらの有害情報が義務教育期間中の子供たちに与える影響は甚大なため、早い段階から先生の監視や情操教育、道徳教育など各種対策が取られて来ました。
 また、問題が顕著化した当初は、インターネットに接続しないという消極的な対策が多く見受けられましたが、世界のグローバルな情報を安くリアルタイムに入手できるインターネットを利用しないために、「学習の機会損失」という新たな問題を生む結果になりました。
 さらに、1999年には文部省がインターネットを活用した「総合学習」を提言し、インターネットを利用しない教育は非常に難しい状況になりました。
 そこで、現在インターネット上の有害情報を除去しながらインターネットを有効に利用する手段としてフィルタリングソフトが注目されております。
 日本では、1997年までは家庭向けに開発されたフィルタリングソフトしかありませんでしたが、ニューメディア協会様の精力的な活動のおかげで、フィルタリングの重要性が認知され、現在では教育機関で利用できる製品が数多く発売されています。
 すでに今回のシンポジュームを開催された「子供を有害情報から守る会」様やニューメディア協会様がフィルタリングソフトを無償で配布されるなど、積極的な啓蒙活動をされたおかげでフィルタリングソフトの存在をご存知の方も多いと思います。
 そこで、今回のシンポジュームでは、教育センターやプロバイダー、国家機関などを通じて4090校以上でご利用いただいているフィルタリングソフトWebSENSEの事例を交えて、各種フィルタリング方式の違いや現状をご紹介させていただきます。


2. フィルタリング(規制)の仕組み

 インターネット上の有害なサイトの規制には、「言語検索方式」と「データベース方式」の2種類があり、データベース方式は、優良なサイトにのみ接続させる「ホワイトリスト方式」と有害なサイトを規制する「規制(ブラック)リスト方式」に分類されます。
 フィルタリングの歴史を紐解くとフィルタリングソフトが生まれた1992年前後「言語検索方式」が主流でしたが、ホワイトリスト方式の混在を経て現在は規制リスト方式が主流になりつつあります。
 なお、「子供を有害サイトから守る会」様やニューメディア協会様が配布されているソフトもこの規制リスト方式が採用されていますが、大きな要因は有害情報を規制する精度が規正リスト方式の方が優れているためと思われます。


2−1.言語検索方式

 言語検索方式は、各サイトの中身を検索して「ヌード」や「裸」、「暴力」などの子供たちに有害と思われる言葉があれば、接続させないという仕組みです。
 ビデオやコンピュータの勃興期にアダルト系のコンテンツが成長要因であったと同じようにインターネットのホームページも当初アダルト系が非常に多く、家庭でインターネットを利用される親にとって子供を有害情報から守るのに最適なソフトでした。
 多くの人がホームページを開設しはじめた時代には、各アダルト系のサイトは、広告収入や自己顕示欲のためにヤフーなどの検索サイトに見つかりやすいよう「裸」や「ヌード」などの言葉を多く自分のページに記載していましたので、言語検索方式は有害な情報を防ぐのに有効な手段でした。
 しかし現在の有害サイトの多くは、言語検索方式のソフトに規制されないよう、「画像のみで構成」したり、「有害と思われる言葉を記載しない」、「友達、高校生といった規制が難しい一般な言葉を記載」するようになったため、言語検索方式の規制精度は落ちました。
 また、業務用や研究発表といった有用なサイトが非常に多い現在では、「友達」や「高校生」なども規制してしまうとこれらの有用なページを規制してしまうことが多くなってしまう難点もあります。
 特に最近では、インターネットを学校や企業で利用する機会が多くなったため、有用なページを間違って規制してしまい業務や授業の進行を妨げることも少なくなく、世界の情報をすばやく入手できるインターネットの価値を下げる結果をもたらしました。
 実際に皆さんが検索サイトを利用されると、「裸」で検索されるリストには有害と思われるサイトは10%程度しかなく、逆に「友達」「高校生」で検索されると非常に多くの有害サイトが発見される事で驚かれることと思います。
 また、リアルタイムな規制ができるはずの言語検索方式ですが、現実にはいかにインターネット上に言葉でしぼれない有害なサイトが多いかご理解いただけたかと思います。
 なお、アメリカでは規制間違いの多いことが問題になり、1998年「知る権利を害する」として図書館など公的機関への導入を禁止する判決が裁判で出されたことも、言語検索方式の衰退を加速させたと言えるでしょう。


2−2.ホワイトリスト方式

 有用なサイトのアドレスである「URL」や「IP」を登録して、登録したサイトのみに行かせるホワイトリスト方式は、現在でも100%の規制率を誇る非常に優れた規制のやり方です。
 しかし、現在インターネット上には何千万という非常に多くのサイトがあり、日々増殖しているため、これらを登録することは不可能となっています。
 また、登録者の考えによっては利用できるサイトに偏りができてしまうため、「言論の自由」に反する可能性も指摘されています。
 現在でも複数の教育機関では有害上から生徒を守るため、日々有用なサイトを登録するという非常に大変な作業をされておりますが、登録作業の負担増とインターネットを子供たちに自由に活用させたいとの主旨から他の方式に変更されるケースが多く見受けられます。


2−3.規制リスト方式

 現在のフィルタリングソフトの主流な方式ですが、「子供を有害サイトから守る会」様やニューメディア協会様もこの方式を採用されており、ご存知の方も多いと思います。
 規制リスト方式は、有害と思われるサイトを登録し、それ以外のサイトには自由に接続されるという仕組みであり、生徒端末ではなく上位のインターネットの入口にあるサーバと言われる管理パソコンに導入されるケースがほとんどです。
 規制リスト方式は、登録されたサイトリストによってフィルタリングを行なうため、リストの数や精度、更新間隔によって規制精度に差があります。
 一般に規制リスト方式はリアルタイムな規制ができないと言われるのは、規制リストの更新間隔が1ヶ月に2,3回の製品が多かったためです。
 現在では、1週間に1度や毎日更新を行なう製品も登場し、先にご紹介した規制テストの結果でも言語検索方式より好成績を出した製品もあり、今やフィルタリングソフトの主要な方式となっています。


2−4.フィルタリングソフトの選択方法


3. 事例紹介

 最近は、学校にシステム管理者がいないケースが多く、また、教育委員会がインターネットの接続に非常に積極的になってきたため、フィルタリングを教育センターや地域プロバイダーで行なうケースが増えてきました。
 国でも同様の考えのもと郵政省が主体となって1999年から実施されている「先進的教育用ネットワークモデル地域事業」通称「1050校プロジェクト」においてもフィルタリングやウイルス対策、セキュリティ対策を集中させて行ない、先生方の負担を減らす対策が取られています。
 WebSENSEは、現在教育機関において約4090校16万台で利用されていますが、すでに70%近くがセンター方式で運用されています。
 センター方式のメリットは、各学校に管理者を置く必要がなく費用も少なくて済むため、今後も増加する傾向にあります。


3−1.クライアントソフトのデメリット

@ 生徒が自由にパソコンを操作できるため、規制を解除されることが多い。
A 端末台数分購入する必要があるため、価格が高い。
B ソフトのインストールやバージョンアップ時にすべてのパソコンを操作しなくてはならない。

3−2.センター方式のメリット

@ 管理が簡単。
A 高速回線を利用しやすい。
B 高いセキュリティ対策を廉価で実現
3−3.プロバイダーが規制リスト方式(WebSENSE)を採用する理由

@ 規制精度が高い。
A 運用が楽。
B 管理が楽。
C 表示速度の劣化がない。
D 導入、メンテナンスコストが安い。

3−4.各学校で個別導入するメリット

@ 学校別のインターネット利用方針に応じて規制できる
A 生徒のインターネット利用状況を分析できる
B 簡単にインターネット接続環境を構築できる


4. 事例紹介

4−1.教育センター:山梨県教育センター、板橋区エコポリスセンター
4−2.プロバイダー:@Nifty、ぷらら、NEWコアラ
4−3.小牧市立中学9校

5. WebSENSEの紹介


5−1.導入実績
世界のユーザ:約8,000サーバ、600万台
日本のユーザ:約1300サーバ、45万台
5−2.概要
5−3.規制サイト収集の体制


6. ALSI製品の紹介

6−1.有害情報をシャットアウトするWebSENSE(ウェッブセンス)
6−2.インターネットで調べ学習をスムーズに実戦するKidsWave(キッズ・ウエーブ)
6−3.有用ホームページの共有および教材作成するSmartURL(スマートユーアールエル)
杉本 浩信 (すぎもと ひろのぶ)アルプス システム インテグレーション株式会社セキュリティサービスグループ マネージャ−
※今大会における参加者に配布したパンフレットです。↑

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