有害サイトから子供を守る
「遮断」ソフト教育現場に普及  読売新聞5月26日掲載記事
小中学校などの教育現場で、子どもたちをインターネットの「有害サイト」から遮断するフィルタリングソフトの利用が増えている。パソコンの配備が進み、無法地帯とも言われるネット上の情報に無防備にさらされることへの危機感が強いためだが、一方で、情報を取捨選択する力を養う「ネット教育」の必要性を指摘する声もある。
東京・板橋区立の小・中学校にあるパソコンはすべて、同区の「エコポリスセンター」を経由しないとインターネットに接続できない。センターにあるパソコンで有害サイトを遮断し、子どもたちが近づけないようにするためだ。
そのために使われているパソコン用ソフトがフィルタリングソフト。「アダルト・カルト・殺人・死体」といったキーワードに関連するサイトは自動的に閲覧できないようにしてくれる。同区立前野小学校でパソコンクラブを指導する伊藤賢教諭は「児童にも安心して情報を検索させることができます」と話す。
こうしたフィルタリングソフトを使った「有害サイト対策」は、各地の教育現場で広がっている。
インターネットの普及で、子どもたちが偶発的にわいせつな写真やアダルト情報、暴力を掲載するサイトを閲覧する可能性も高まってきているからだ。文部科学省の調査によると、昨年三月末までに全国の公立小中学校・高校の99%にパソコンが配備され、その六割近くがインターネットに接続されていた。
経済産業省の外郭団体「ニューメディア開発協会」(東京)がホームページ(http://www.nmda.or.jp/)上で無料配布するフィルタリングソフトは、昨年七月までの三年間で三百五十件程度の利用者しかいなかったのが、昨年末から急増し、今年四月には一か月で約百二十件に上った。無料ということもあって、家庭での利用者も増えているそうだ。
教育用ソフトの開発・販売を手がけるアルプスシステムインテグレーション(東京)によると、同社のフィルタリングソフトを利用する学校が゛、今年になって例年の1,7倍のペースで増えた。
「ネットを通じて青少年が巻き込まれる事件が増え、有害情報への認識が高まっているからでは」と同社は分析する。

情報の取捨選択考える力も必要
インターネット教育に詳しい国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(東京)の豊福晋平・主任研究員は「残虐なシーンにショックを受ける子どももおり、教育現場でフィルタリングソフトを使うのは常識。しかし、学校を離れると、そうした情報はあふれている。遮断するだけでなく、自分で考え、判断する力を養うことがますます必要になる」と話している。

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