○禁止よりマナー徹底必要 「学校への携帯」教員の6割許可 県高教祖がアンケート 下野新聞 2001年11月10日掲載  
 高校生が携帯電話を校内に持ち込むことを許可している教員は六割に上り、禁止の三割を大きく上回っていることが、県高校教職員を対象にしたアンケートでわかった。許可は条件付きの場合が多いが守られず、「九割が持っている」という学校もある。生徒の携帯電話所持に関しては教員間でも賛否が分かれており、指導が難しい現状をうかがわせている。

 アンケートは携帯電話に関する教員の指導の現状を探ろうと十月に県立高校教員を対象に行われ、三百三十三人が回答した。
 「携帯電話の持ち込みに対して、どのような指導をしているか」を尋ねたところ、「禁止」は33%だったのに対し、「条件付き許可」が45%、「許可」が4%、「特に指導なし」が13%で、事実上、認めているという答えが多数を占めた。許可の条件は「放課後のみの使用とする」「授業中は電源を切る」「届け出る」などさまざまだった。
 さらに「この指導は守られているか」の問いには約六割が「守られていない」と回答。「授業中の呼び出し音などを見つけない限り黙認している」「九割の生徒が持っているようだ。禁止はもはや空洞化している」などの現状報告が寄せられた。
 高校生が携帯電話を所持することについては、43%が「持って構わない」と答え、「持つべきでない」の17%を大きく上回った。容認する理由としては、「部活動で遅くなる場合など親と連絡を取ることがある」「時代の流れで日常品になりつつある」「親が使用を認めているならば構わない」などが挙げられている。
 高校生の携帯電話をめぐっては、「出会い系サイト」でトラブルに巻き込まれる事件が多発していることから、県警と県教委などが被害防止対策などを議論しており、学校での指導の在り方も問われている。

 アンケートを行った県高組では、「教員の間でもさまざまな考え方があり、学校内の指導が分かれているようだ。携帯電話を禁止するのはもはや現実的ではなく、マナーを徹底的に教える指導が中心になっていいくだろう」と話している。

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